ウランバートルの空に(15)

まさかの右肩骨折

3月11日

学校対抗の「Young Solder Coppetition」の日。

この日のために走ったり、腹筋をしたり、行進をしたり、歌を歌ったりと社会主義の名残のようなアーミートレーニングの成果を競う大会。私(A)の受持つ11年生4人は3週間以上も授業を欠席してしていました。さらに今日は全ての高校生が会場に応援に行ってしまい、イライラ感が募りました。

3月12日

朝礼で、昨年のJLPTの合格者と、先日開催された「日本語オリンピアード」の優秀成績者が紹介されて、全校生徒の拍手を浴びました

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一方、「Competition」の方の結果は、19校中7位とのこと。まあまあでしょうか。

 

3月13日

早朝、トイレに行く途中、室内で転倒してしまいました。かつて経験したこともないほどの激痛。真横から右肩・右腕を強打して、しばらく起き上がることもできません。小一時間たっても痛みはひどくなる一方。

「これはまずい」

学校に着いてから、すぐ医務室へ。「病院に行った方が良い」と言われ、モンゴル人の先生に付き添われて近くの国立病院へ。レントゲンを撮り診断書も書いてもらい「より専門の病院に行きなさい」と。そして2つ目の病院=整形外科で、またレントゲン。右肩の骨が折れてしまったらしく、ぐるぐる館内をめぐって、テーピングしてギプスを着けてもらい、処方箋をもらって薬を購入。3時間以上たって学校に戻り、校長先生と教頭先生に報告。他の先生方もすごく心配してくださいました。

しかしショックだったのは午後の会議で主任の先生から「校長及び教頭先生の判断で、次の第4学期が始まるまでの約1か月間、休職して休むように」と告げられたこと。自分では、まだ何とか教壇に立てるのではと考えていましたが肝心の利き腕が使えないとどうしようもないし、確かに学校には小さい子どもも多いですから危ないし。

「これは神様が今は休みなさい」とお告げになっているのだろうなあと、自分を納得させるより他ありません。

3月14日

自分のパソコンや最低限持ち帰りたい物を取りに午後学校へ。ホワートデーのクッキーを主任の先生に渡し、簡単な引き継ぎをしました。そして1階のカフェでは女子生徒二人と会いプレゼントを渡しました。二人とも哀れな私の姿を見て、いつになく神妙な面持ちだったので少し笑えました。 (A)

 

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ウランバートルの空に(14)

Happy Women's Day !

3月7日

この日は、翌8日の『女性の日』のため、夕方から学校の女性の教師及び職員をお祝いする簡単な式典が行われました。私たちの学校のスタッフ全70人のうち男性陣は10人と少しのみ。女性が圧倒的に多いのです。

1階の体育館に椅子などを並べてセッテイング。そして、この日のために用意しておいた、深紅のバラの花束と記念のマグカップ(昨年の9月の今年度の始業式の特に撮影した写真をプリントしたもの)を入場して来る女性陣一人一人に手渡しました。

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その後、ワインとケーキをふるまい、歓声をあげる彼女らの姿を微笑ましく見守って1時間くらいで散会となりました。

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ところが、その後「これからみんなで食事に行こう!」ということになって、若手教師を主体に全部で25人くらいで市内のモールの最上階のバー&ダイニング・レストランへ。ソフトドリンク、シェイク、カクテル、ビールからはじまって、だんだんとヒートアップ。案の定、ウオッカテキーラなどが出てきて「乾杯!」の連続。注文した料理がなかなか出てこないので、それまでの間「伝言ゲーム」。テンションが上がって嬌声をあげて笑い転げる女性たち。私を含め5人だけ参加した男性たちは圧倒されるばかり。ふだん学校内で見せる彼女らの素顔(?)を垣間見られて面白かったですが、バンドも始まり延々と続くパーティーに疲れ22時過ぎには先に失礼いたしました。

 

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3月8日

そして『女性の日』。午前中から、スーパーやデパートでは奥さんや恋人(?)に贈るケーキを買い求める男性が目立っていました。丁度、この日に会うことになった知り合いのモンゴル人の通訳兼ガイドの女性や妻にも、ささやかなプレゼント(ブローチとピアス)を買いました。

夕方、市内の中華料理レストランで、そのガイドの人と3人で会食。中華に飢えていたので、その一品一品に感激しパクパクとガッツイてしまいました。やはり、日本人には中華ですね。

ちなみに、3月18日は『男性の日』とか。こうした祝日があるのはモンゴルのほか中国、ロシア、北朝鮮くらいでしょうか?なんだか少し不思議な気分がした2日間でした。(A)

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ウランバートルの空に(13)

モンゴル式風邪撃退法

3月5日

週末に風邪をひいてしまい、昨日は朝から喉が少し痛く、体がだるいので、同僚のモンゴル人の先生に相談しました。すると

「ゴルチーツァを足のふくらはぎに貼るといいですよ。昔からあるやり方で、私の子供にもよくやってあげます」とのこと。早速帰りに薬局に寄って「ゴルチーツア」を買い求めました。1500Tg(70円くらい)。ところが外から袋を見る限り、マスタード以外の何物でもありません。ロシア語の得意な旦那に説明を読んでもらっても、料理方法が書いてあるだけ。大丈夫かな?

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袋を開けると、それはまさしく辛子粉!

熱いお湯で溶いて、すぐガーゼにのせて、ふくらはぎにあてること15分。

少し熱くなりましたが、別に垂れることもなく、いたって簡単です。

そのまま靴下を履いてベッドに入り、早く寝てしまいました。

 

ぐっすり寝たせいか目覚めもよく、身体が軽くなっていました。昔私の祖母が、幼い時胃腸が弱かったので、ニンニクと生姜を摩り下ろしてそれをガーゼにのせて、私の体に当ててくれていたことを思い出しました。どこの国にもその国なりの生活の知恵があることを知ると、嬉しくなります。

 

今朝はいきなり朝礼があり、作文優秀者が二人発表され賞状をもらっていました。同時に今年の秋に日本へホームステイする生徒も前に呼ばれ発表されました。

モンゴル人は表彰式が大好き。中国でも似たようなことがありましたが、社会主義の名残かもしれません。ま、減るものでもなし、いいのではないでしょうか。

ウランバートルの空に(12)

日本語オリンピアード

3月2日

今日はモンゴル全国の中高生(5年生から12年生まで)が集い、日本語力を競う『日本語オリンピアード』大会の日。

開催が『ナラン学校』という学校だったので、その見学も兼ねて、我が校の教師たちも生徒を引率して出かけました。

午前中は、JLPT(日本語能力試験)N5とN2相当レベルの生徒たちの部。

5年生から11年生まで合計10人が午前10時から試験開始。

同じ私立の学校でも雰囲気が全く違っていて興味を惹かれました。

 

試験が終わって出て来た生徒たちは「漢字が難しかった〜」とこぼす子もいれば「漢字が一番やさしかった」という子もいましたが、一様に皆、読解問題や作文に苦労したようです。その中には小学生の頃日本の学校に通っていた生徒も2名おりました。

この学校には日本に限らず各学年、数名の帰国子女がいます。彼らは最初から一定のアドバンテージがあるため会話は日本語英語中国語など、もちろんお手の物。ただし書くこと、特に漢字に関しては、本人の頑張り如何なので、コツコツと語学を学ぶ学生とは別メニューで、プラスαをつけて指導をしています。

 

さて、今日の結果。どうなりますことやら。

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ウランバートルの空に(11)

アルファベット祭り

3月1日

今日は「アルファベット祭り」。

12時から始まるということで、朝から音楽の先生やダンスの先生は皆、体育館に集まって一年生のゲネプロ。先生方も今日は少しおめかしして来ています。

いつもより少し早めにお昼。今日はボーズです。

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お腹もいっぱいになったところで、はじまりはじまり〜。

頭にフエルトで作ったアルファベット(モンゴルはキリル文字)の冠をかぶって、最初は一斉に大きな声で歌います。昔から必ずこのイベントで歌われる曲だそうで、聞いている先生も父兄も感慨深げ。

 

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体育館には一年生の書いた絵や作文、折り紙などがたくさん飾られています。

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我が子を見つめる親の眼差しは、万国共通。子ども達の書いたものはすべて袋に入れ、我が子が18歳になった時、それを親が子どもに手渡すそうです。ずっとずっと昔からの習慣と聞き、ちょっぴり羨ましくなりました。

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歌と踊りとが終わってから、子どもたちは賞状をもらいました。校長先生の息子もご満悦。そしてその後、今度は父兄の歌や馬頭琴演奏やダンスが始まりました。あまりの熱演に度肝を抜かれ、大人たちも大歓声をおくりました。

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今日は夫のクラスの11年生女子の誕生日。彼は昨日一生懸命準備して、ささやかなカードを贈りました。和やかな1日でありました。

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ウランバートルの空に(10)

抜き打ちテスト

2月27日

2月も残すところ、あと1日。

今週から新しく、男性のA先生が夏までの間、助っ人として低学年を受け持ってくださることになりました。

奥様がモンゴルの方で3人のお子さんのうち二人がこの学校に入学されているご縁で、今回ピンチヒッターをお願いすることができたそうです。モンゴル語もペラペラで、以前日本語を教えていた経験もおありなので、本当に助かります。

ご出身は伯方の塩で有名な愛媛県の「伯方島」。瀬戸内海に浮かぶ小島ですが、HPで調べてみたらとても美しい島でした。いつか行ってみようと心に決めました。

 

3月期は私の教える中学生たちは本当に真面目に勉強する姿勢があって、授業がしやすくて助かっています。ところが今日、6年生の授業中、突然モンゴル語の先生が入ってきて「これから試験を始めます」とのことで、スゴスゴ退散しました。聞くところによると、他の先生ももちろん全く知らされておらず、政府が抜き打ちでモンゴル語のテストをすることになっていたそうです。私は次の時間の授業もすっとんでしまいました。

 

モンゴル語の抜き打ちテストはこの学校だけでなく、実は今、すべての学校で行われているそうです。試験は約1時間でしたが生徒に後で聞いたら「とても難しかった〜」「モンゴル語のテストは、ディクテーションの時に、そのままを書くだけじゃないから大変」「成績が悪くて先生にすっごく怒られそうだから、みんな明日は休もうと言っているよ」などなど。先生もビックリですが、生徒はもっと大変ですね。

 

テストではないのに今日は職員室も大変ワサワサしていました。土曜日に1年生の「アルファベット祭り」が行われるらしく、例によって時間は未定ですが、一年生の担任は大忙し。これもモンゴルじゅうの学校で行われる新一年生のためのイベントだそうです。何が行われるのか、興味津々・・・ですね。

 

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ウランバートルの空に(9)

日本語教師会、初参加

2月23日

今日は土曜日ですが、私(A)が授業を担当している12年生(高校3年生)と11年生(高校2年生)のために、いろいろと資料を集めに、朝から市の中心にある『モンゴル・日本センター』へでかけました。

 

12年生は全部で4人。そのうち女子2人は今年の6月卒業後に日本への留学を希望しています。留学試験の案内やガイドブック、留学生を受け入れている日本の大学の一覧リストなどを入手しました。

また、4月7日に行われるNAT TEST(日本語学力試験)を受験する生徒のために、受験要項にアクセスできるホームページのアドレスや連絡先なども確認しました。

 

とりあえず一通り目的は果たし、それから月に一度開催されている日本語教師会(各校の日本人やモンゴル人の先生方同士が集う勉強会)に初参加しました。

テーマは「壁新聞」。大学で学生たちに壁新聞を作らせたことがある先生方がパワポで説明をしてくださり、その後は質疑応答やデイスカッション。なかなか興味深い話で、我が校の「文化祭」などにもコンペ形式で織り込めないかなあ、などと考えたりしました。

 

しかし今日、一番驚いたことは、日本大使館職員や他の先生方から「今年の7月7日にJLPT(日本語能力試験)がある」と告げられたこと。

モンゴルでは通常、JLPTは年に一度、12月のみに行われていましたが、7月にも開催されるとなると、様相ががらりと変わります。生徒たちへの指導や授業内容も自ずから変わるわけで、「すわ、一大事!」といった気分です。

 

勉強会は午後1時過ぎに終了。その後は何人か連れ立って近くのレストランでランチ。

JICAの職員にせよ、フリーの日本語教師にせよ、この地にやってくるのは老いも若きも女性ばかり。しかも揃いも揃って関西出身者。彼女ら関西女子のパワーに圧倒され続けた2時間でした。

 

明日こそ、しっかり休みたいものです。

 

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